グループ紹介

融合研究推進グループ

健康予測チーム/健康羅針盤チーム

スーパーコンピュータで、精緻にヒトを再現。一人ひとりの健康を予測できる技術を、つくっています。

健康予測チーム(In silico-Human)
チームリーダー

金田 亮 Kanada Ryo

健康羅針盤チーム(Realistic-Human)
チームリーダー

奥野 恭史 Okuno Yasushi

今や日本人の平均寿命は、男女ともに80歳を超え、世界屈指の長寿国になっています。しかし、多くの人が本当に知りたいのは“平均”寿命が何歳かということよりも、自分や大切な家族がどのくらい生きられるのかという、“個人”の予測ではないでしょうか。私たちの研究チームが目指しているのは、コンピュータを使ってヒトの体で起きていることを精緻に再現すること。そして、そこから得られた情報や解析結果をもとに、“個々”の健康状態を把握したり、予測できる技術を確立することです。ヒトの健康に関するデータは、これまでも全国各地で、さまざまなかたちで集められてきました。しかし、このように解析の専門家が加わり、データ駆動型で健康の解析を行っているのは、おそらく日本でも唯一の取り組みだと思います。神戸医療産業都市には、理化学研究所が世界に誇るスーパーコンピュータ「京」をはじめ、最高峰のシミュレーション環境が整っています。
なぜシミュレーションには「京」のような大規模な計算機が必要になるのでしょうか。たとえば、生活習慣病になるまでの病状の進行を予測したいというテーマがあるとします。病気は前ぶれもなく深刻な状態に陥るのではなく、疲労蓄積や生活習慣により動脈硬化が進むなど、何らかのプロセスを辿って、さまざまな病気につながっていくと考えられます。そのプロセスを理解するためには、ある瞬間の計測データだけを見るのではなく、「時間軸」「時系列」で考えることが大切です。極端に言うと、同じ人でも昨日と今日ではデータは既に変わっているかもしれません。一般的に社会人になると1年に1回、健康診断を受けますが、本当の体の状態を知るには、年に1回では不十分だと考えています。その間をつなぐものが、大規模な計算機やビッグデータを用いたシミュレーションなのです。こうした研究をもとに、一人ひとりの健康増進につながる“羅針盤”をつくっていくことが、私たちの大きな目標です。

健康予測チーム

健康状態の悪化をいかに予測するか。コンピュータ上にヒトの機能を緻密に再現して、さまざまな解析やシミュレーションを行うチームです。2015年12月に「健康“生き活き”羅針盤リサーチコンプレックス」がスタートして、健康計測解析チームが集めている健康計測データや、日本各地で集められた計測データなど、解析に必要なデータが入手できるようになってきました。こうしたデータをもとに、スーパーコンピュータ「京」やビッグデータ、AIなどの先端技術を活かした高度な解析を行うことで、ヒトの体で起こっていることや、健康がどのように悪化し病気へと進行していくのかを再現・予測しようと取り組んでいます。さらに、AIの活用は健康状態の予測だけでなく、医療や創薬にも期待されており、本チームは、その基盤をつくるうえでも重要な役割を担っています。また、健康に関わる情報を扱う者の責任として、個人情報保護の観点からも、データをきちんと取り扱える体制づくりを進めています。

In silico-Human

図中の4つのツールを駆使して、「病態のメカニズムの解明」や「画期的かつ効果的な創薬」、「健康状態の未来予測」「安全で低コストな精密医療」の実現に取り組んでいます。

健康羅針盤チーム

健康予測チームが解析したデータや、各チームの研究成果をもとに、一人ひとりの健康を予測できるシミュレータの開発を目指すチームです。さらに、集めたヒトデータを利活用することで、個々の健康増進につながるソリューションの開発も目指しています。たとえば、「あなたは、このままいくと生活習慣病になりますよ。もっと運動してください」と言われても、何をどのくらいすればいいのか困ってしまうのではないでしょうか。一般論としての健康法ではなく、「今の自分には、どのような運動が必要なのか」「どのように生活を変えていけばよいのか」というように、具体的な情報を“個別”に得られるようになれば、病気になる前に自分から行動を起こしやすくなり、健康増進効果も高まっていくと考えられます。こうした情報を、医学的な専門用語ではなく、一般の方にも分かりやすいかたちでお届けしてゆけるよう「健康“生き活き”羅針盤」の創造に取り組んでいます。

Realistic-Human

ビッグデータをもとにスーパーコンピュータを使ってシミュレーションを行い、個人の健康状態を見極めたり、予測したりできる健康指標の確立を目指しています。